春の奥多摩・雲取山へ

毎年4月末から5月のゴールデンウィークにかけての期間に行く山がある。

それは、東京都最高峰の雲取山。

標高2017.1mの山頂は東京都・埼玉県・山梨県の県境となっており、天気さえよければ素晴らしい景観が広がっている。

山頂近くの日あたりの悪い場所にはまだ雪が残るこの季節にあえて毎年通う理由は多数あります。

最大の理由は、太陽の光によって暖められたとても気持ちの良い朝の空気を吸いたいことである。

山頂まで約1時間の場所にある奥多摩小屋付近の幕営地にテントを張り、出来るだけ日の出前には起きる。

まだダウンとフリースが手放せないほどの気温の中、お湯を沸かしコーヒーを入れる。

テント前に座り徐々に明らむ雲海を見つめているといつの間にか無心となり寒さもあまり感じなくなっている。

その空気は太陽が雲の上に現れると同時に溶かされ柔らかくなっていく、この時間がなによりも贅沢だ。

体を少しずつ伸ばし空気を一杯吸い込むと、冷たいながらも生命感に溢れた酸素が取り込まれ、改めて生を感じることが出来る。

山に登る理由はなにも頂上に立つことだけではない。

その場所ならではの空気を味わう事も醍醐味のひとつなのだ。

また来年もこの空気を吸いに行きたい。